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コラム

外構工事とは?新築の家づくりで後悔しないための基礎知識をプロが徹底解説

「新築の打ち合わせで、初めて『外構(がいこう)』という言葉を聞いたけれど…」
「家の間取りばかり考えていて、外のことは全くイメージが湧かない」

ハウスメーカーとの打ち合わせが進む中で、このように感じている方も多いのではないでしょうか。
外構工事は、つい後回しにしがちな項目ですが、実は住まいの印象や日々の暮らしやすさを大きく左右する、とても重要な「家の顔づくり」です。

知識がないまま計画を進めてしまうと、「駐車場が狭くて使いにくい」「お隣からの視線が気になる」といった後悔につながることも少なくありません。
そこでこの記事では、外構工事の知識が全くない方でも安心して家づくりを進められるよう、専門用語を極力使わずに基本の「き」から徹底解説します。

この記事を最後まで読めば、外構工事の全体像から費用相場、失敗しないための具体的な進め方まで、すべてを理解できます。
理想のマイホームを完成させるための、大切な知識を一緒に学んでいきましょう。

まずはここから!「外構(がいこう)工事」の基本を知ろう

家づくりで初めて「外構」という言葉に触れた方のために、まずは基本的な知識から整理していきましょう。
言葉の正しい読み方から、よく似た「エクステリア」との違い、そして外構工事がなぜ大切なのかという理由まで、分かりやすく解説します。
ここを読めば、打ち合わせで話についていけない、といった不安も解消されるはずです。

「外構」の読み方と基本的な意味

外構は「がいこう」と読みます。
これは、住宅の建物本体以外の、敷地内の屋外空間を構成する工事全般を指す言葉です。

具体的には、門、駐車場、庭、フェンス、ウッドデッキなど、家の外回りにある様々な構造物が含まれます。
つまり、住まいの使い勝手や見た目を決める、非常に重要な部分と言えます。

「エクステリア」との違いは?実はほぼ同じ意味

外構とともによく使われる言葉に「エクステリア」があります。
この二つの言葉は厳密には少しニュアンスが異なりますが、現在ではほとんど同じ意味で使われることが一般的です。

用語本来のニュアンス具体例
外構構造物や設備など、機能的な側面が強い「ハード面」を指すことが多いです。ブロック塀、コンクリートの駐車場、カーポートなど
エクステリア空間全体のデザイン性や装飾性を含んだ「ソフト面」を指すことが多いです。植栽、照明、ウッドデッキ、庭全体の雰囲気など

打ち合わせなどでどちらの言葉が出てきても、「家の外回りのこと」と理解しておけば問題ありません。
業者さんとの認識のズレを防ぐためにも、言葉のイメージを掴んでおくと安心です。

なぜ外構工事は必要なの?3つの重要な役割

外構工事は、単におしゃれに見せるためだけのものではありません。
日々の暮らしを快適で安全なものにするために、主に3つの重要な役割を担っています。

役割具体的な内容と効果
1. 防犯性と安全性の向上・門扉やフェンスを設置することで、不審者の侵入を物理的に防ぎます。
・アプローチや駐車場に照明を設けることで、夜間の転倒事故を防ぎ、防犯効果も高まります。
・滑りにくい素材のアプローチは、雨の日の安全な歩行を助けます。
2. プライバシーの確保・リビングの前に目隠しフェンスや植栽を配置することで、道路や隣家からの視線を遮り、カーテンを開けて開放的に過ごせるようになります。
・洗濯物干し場など、プライベートな空間を見えにくくすることも可能です。
3. 住まいの美観と資産価値の向上・手入れの行き届いた庭やデザイン性の高いアプローチは、住まいの第一印象を格段に良くします。
・機能的で美しい外構は、将来的に家を売却する際の資産価値を高める要素にもなります。

このように、外構工事は快適な暮らしと住まいの価値を守るための大切な投資なのです。

どこまでが工事範囲?外構工事の主な種類と人気のスタイル

「外構工事」と一言でいっても、その内容は多岐にわたります。
ここでは、具体的にどのような工事があるのかを場所別に整理し、全体の雰囲気を決めるデザインスタイルについてご紹介します。
ご自身の新しい家ならどんな外回りにしたいか、ぜひイメージを膨らませながら読み進めてみてください。

場所別に見る!外構工事の具体的な内容一覧

外構工事は、敷地内の場所ごとに様々な種類があります。
それぞれの役割や特徴をまとめたので、どこにどんな工事が必要か考える際の参考にしてください。

場所主な工事内容役割・特徴
門まわり門柱、門扉、表札、ポスト、インターホン「家の顔」となる重要な部分です。デザイン性はもちろん、防犯性にも大きく関わります。
アプローチ玄関までの通路(レンガ、タイル、コンクリートなど)毎日通る場所だからこそ、歩きやすさや安全性が大切です。素材によって家の印象が大きく変わります。
駐車場・駐輪場コンクリート舗装、カーポート、ガレージ車や自転車を雨風から守ります。車の大きさや乗り降りのしやすさなど、日々の使い勝手が重要です。
庭・植栽芝生、シンボルツリー、花壇、家庭菜園癒やしの空間を演出し、暮らしに彩りを与えます。季節感やメンテナンス性も考慮して計画します。
境界・目隠しフェンス、ブロック塀、生け垣隣家との境界を明確にし、プライバシーを保護します。圧迫感が出ないようなデザイン選びがポイントです。
デッキ・テラスウッドデッキ、タイルテラスリビングと庭をつなぐ多目的な空間です。バーベキューなど「おうち時間」を充実させてくれます。

理想のイメージが見つかる!3つの外構デザインスタイル

外構全体のデザインは、大きく3つのスタイルに分類されます。
それぞれの特徴を知ることで、自分たちの理想のイメージがより具体的になります。

スタイル名特徴メリットデメリット
オープン外構塀や門扉で敷地を囲わず、開放的に見せるスタイルです。開放感がある、日当たりが良い、工事費用を抑えやすいプライバシーの確保が難しい、防犯面で不安がある
クローズ外構塀や門扉で敷地全体をしっかりと囲うスタイルです。プライバシーを守れる、防犯性が高い、重厚感がある圧迫感が出やすい、工事費用が高くなる、閉鎖的
セミクローズ外構上記2つの中間。必要な場所だけを囲うスタイルです。開放感とプライバシーを両立できる、デザインの自由度が高い設計に工夫が必要、費用は中間的

オープン外構:開放感とコストが魅力

オープン外構は、塀やフェンスで敷地を厳重に囲わない、開放的なデザインが特徴です。
日当たりや風通しが良く、街並みと一体化した美しい景観をつくりやすいメリットがあります。
また、構造物が少ないため、工事費用を比較的抑えられるのも嬉しいポイントです。

  • メリット
    • 敷地が広く見える
    • 日当たりや風通しが良い
    • 工事費用を抑えやすい
    • 街並みとの一体感が生まれる
  • デメリット
    • 道路や隣家からの視線が気になる
    • 子どもやペットが道路に飛び出す危険性がある
    • 不審者が侵入しやすい

クローズ外構:プライバシーと重厚感を重視

クローズ外構は、高さのある塀や門扉で敷地全体をしっかりと囲い、プライベートな空間を確保するスタイルです。
外部からの視線を完全にシャットアウトできるため、人通りの多い場所でも安心して過ごせます。
また、重厚感や高級感を演出しやすいのも特徴です。

  • メリット
    • プライバシーを完全に確保できる
    • 防犯性が非常に高い
    • 重厚感や高級感を演出できる
  • デメリット
    • 圧迫感があり、閉鎖的な印象になりやすい
    • 日当たりや風通しが悪くなる可能性がある
    • 工事費用が高額になる

【一番知りたい】新築の外構工事、費用はいくらかかる?

家づくりにおいて、読者の皆様が最も気になるのが費用面ではないでしょうか。
「外構工事って、一体いくらくらいかかるの?」という疑問に、具体的な数字を交えながらお答えします。
一般的な相場から、予算別の工事内容のシミュレーション、そして賢く費用を抑えるコツまで詳しく解説するので、資金計画の参考にしてください。

外構費用の全体相場は「住宅本体価格の5〜10%」が目安

新築の外構工事にかかる費用は、一般的に「住宅の本体価格の5%から10%」が目安と言われています。
例えば、建物の価格が3,000万円の場合、その5%〜10%である150万円〜300万円程度が外構費用の相場となります。

もちろん、敷地の広さや工事の内容、使用する素材のグレードによって金額は大きく変動します。
この費用には、ブロックやレンガなどの材料費、職人さんの作業費(人件費)、重機やトラックの費用などが含まれています。

工事箇所別の費用目安一覧

全体の相場だけでなく、具体的にどの工事にどれくらい費用がかかるのかを知っておくと、より計画が立てやすくなります。
以下に、主な工事内容ごとの費用目安をまとめました。

工事箇所費用目安備考・ポイント
駐車場(コンクリート/1台分)約10万円 〜 20万円敷地の広さや、もともとの地面の状態によって変動します。
カーポート(1台分)約15万円 〜 30万円商品のグレード(耐雪性能、デザインなど)で価格が大きく変わります。
アプローチ(10平方メートル)約10万円 〜 30万円タイルやレンガ、自然石など、使用する素材によって費用は様々です。
機能門柱約10万円 〜 25万円ポスト・表札・インターホンが一体になったタイプです。デザインや機能が豊富です。
目隠しフェンス(アルミ製/高さ1.8m/1mあたり)約1.5万円 〜 3万円基礎となるブロック工事などが別途必要になる場合があります。
ウッドデッキ(人工木/6畳程度)約30万円 〜 60万円天然木かメンテナンスフリーの人工木かで、価格やお手入れの手間が変わります。
植栽(シンボルツリー/高さ3m程度)約3万円 〜 10万円樹木の種類や大きさ、植え付け作業費によって異なります。
※上記の費用はあくまで目安です。地域や業者、敷地の条件によって変動します。

予算200万円でどこまでできる?予算別の工事シミュレーション

ご自身の予算でどのような外構が実現可能なのか、具体的なイメージを持てるようにシミュレーションしてみました。
どこにお金をかけ、どこをシンプルにするか、優先順位を考える参考にしてください。

予算実現できることの例ポイント
〜100万円【必要最低限プラン】
・駐車場1台分のコンクリート舗装
・シンプルな機能門柱
・建物の周りは防草シート+砂利敷き
まずは暮らしに必要な最低限の機能を確保するプランです。デザイン性よりも実用性を重視し、コストを抑えます。
100万円〜200万円【標準プラン】
・駐車場2台分のコンクリート舗装
・デザイン性のあるアプローチ
・隣家との境界に一部フェンスを設置
・シンボルツリーを1本
多くのご家庭で採用される標準的なプランです。日々の暮らしやすさと、ある程度の見た目の良さを両立できます。
200万円〜300万円【こだわりプラン】
・標準プランの内容
・ウッドデッキやタイルテラスを設置
・デザイン性の高い目隠しフェンス
・おしゃれな照明計画
暮らしを楽しむための「+α」を取り入れたプランです。趣味や理想を反映させた、こだわりの空間づくりが可能です。

賢くコストダウン!費用を抑える4つのコツ

予算内で理想の外構を実現するためには、少しの工夫が大切です。
ここでは、誰でも実践できるコストダウンのコツを4つご紹介します。

  1. 工事内容に優先順位をつける
    • 「駐車場」や「最低限のプライバシー確保」など、絶対に譲れない部分と、「庭の植栽」や「ウッドデッキ」など、将来的に追加できる部分を分けましょう。
  2. 素材のグレードを検討する
    • 全ての場所に最高級の素材を使う必要はありません。人目につくアプローチだけは天然石にするなど、メリハリをつけるのがポイントです。
  3. DIYを取り入れる
    • 専門技術が不要な「砂利敷き」や「簡単な花壇づくり」「芝生張り」などは、ご自身で挑戦することで費用を大きく削減できます。
  4. 複数の業者から相見積もりを取る
    • 必ず2〜3社以上の業者に見積もりを依頼し、内容と金額を比較検討しましょう。これにより、適正な価格を知ることができます。

後悔しない!新築の外構工事を成功させる流れと業者選び

外構工事の知識や費用感がわかってきたところで、次に気になるのは「いつ、誰に相談すればいいの?」という点でしょう。
このセクションでは、新築の家づくりに特化した外構工事の進め方と、信頼できるパートナー(業者)選びのポイントを解説します。
ここをしっかり押さえることで、後悔のない外構づくりへの道筋が見えてきます。

最適なタイミングは?家づくりと同時に計画を進めるのが鉄則

外構工事を計画するベストなタイミングは、ずばり「建物の間取りを考えている段階」です。
建物の完成後に外構を考え始めると、様々な制約が出てきてしまう可能性があります。

  • 同時に計画するメリット
    • 配管や設備の位置を最適化できる:屋外の水道やコンセント、排水管の位置などを、建物の設計と同時に考えることで、無駄のないスマートな配置が可能です。
    • 室内からの眺めを考慮できる:リビングの窓からシンボルツリーが見えるようにするなど、家の中と外のつながりを意識した設計ができます。
    • 資金計画が立てやすい:住宅ローンに外構費用を組み込める場合が多く、全体の資金計画をスムーズに進められます。

後から「ここにコンセントがあれば高圧洗浄機が使えたのに…」といった後悔をしないためにも、家づくりと外構計画はセットで進めることを強くおすすめします。

どこに頼む?ハウスメーカー vs 外構専門業者のメリット・デメリット

外構工事の依頼先は、主に「家を建てるハウスメーカー・工務店」と「外構工事を専門に行う業者」の2つに分かれます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況に合わせて選びましょう。

依頼先メリットデメリット
ハウスメーカー・工務店・住宅の打ち合わせと同時に進められるため、手間が少ない。
・窓口が一つなので、連絡や調整がスムーズ。
・住宅ローンに外構費用を組み込みやすい。
・下請け業者に発注するため、中間マージンが発生し費用が割高になる傾向がある。
・デザインの選択肢が限られる場合がある。
外構専門業者・専門知識が豊富で、デザイン性の高い提案が期待できる。
・直接施工のため、中間マージンがなく費用を抑えやすい。
・豊富な素材や工法から選べる。
・自分で信頼できる業者を探す手間がかかる。
・住宅ローンとは別に資金計画を立てる必要がある場合が多い。

信頼できる業者を見極める5つのチェックポイント

良い外構づくりの鍵は、信頼できる業者と出会うことです。
複数の業者を比較検討する際には、以下の5つのポイントをチェックしましょう。

  1. 施工実績が豊富で、好みの事例があるか
    • 過去の施工事例を見せてもらい、自分たちのイメージに近いデザインを手がけているか確認しましょう。
  2. こちらの要望を丁寧にヒアリングし、プロの提案をしてくれるか
    • ただ要望を聞くだけでなく、暮らしやすさや長期的な視点からのプロならではの提案をしてくれる業者は信頼できます。
  3. 見積書の内訳が「一式」ではなく、詳細で分かりやすいか
    • どの工事にいくらかかるのか、材料費や工事費の内訳が細かく記載されているかを確認しましょう。不明な点は遠慮なく質問することが大切です。
  4. 工事後の保証やアフターフォローについて明確な説明があるか
    • 万が一の不具合が起きた際の保証内容や、定期的な点検の有無など、工事後のサポート体制を確認しておくと安心です。
  5. 担当者との相性が良く、コミュニケーションがスムーズか
    • これから長く付き合うパートナーです。話しやすく、親身になって相談に乗ってくれる担当者かどうかも重要な判断基準になります。

【実例紹介】先輩たちの失敗談から学ぶ、おしゃれで快適な外構のヒント

最後に、具体的なイメージをさらに深めるために、先輩たちの「よくある失敗談」と、それを防ぐための対策をご紹介します。
他の方の後悔から学ぶことで、ご自身の計画をより良いものにブラッシュアップできます。
また、理想の暮らしを実現したおしゃれな事例も参考に、夢を広げてください。

よくある失敗談こうすれば防げた!対策ポイント
駐車場が狭くて、車のドアを全開にできない…車のサイズだけでなく、ドアの開閉スペースや人が通る動線も考慮して、余裕を持った広さを確保しましょう。将来の車の買い替えも視野に入れると安心です。
夜、玄関までのアプローチが真っ暗で歩きにくい…計画段階で、人感センサー付きの照明や足元を照らすフットライトなどを設置しましょう。防犯対策にもなります。
憧れのウッドデッキが、数年で腐ってしまった…メンテナンスの手間を減らしたい場合は、腐食に強い「人工木」を選ぶのがおすすめです。天然木を選ぶ場合は、定期的な塗装計画を立てておきましょう。
屋外コンセントの位置が悪く、延長コードが必須に…「駐車場で高圧洗浄機を使いたい」「庭でバーベキューをしたい」など、どこで何をしたいかを具体的にシミュレーションし、最適な位置にコンセントを設置しましょう。

これらの失敗を避けるだけで、外構の満足度は大きく向上します。
さらに、リビングと一体になったタイルテラスを設けて「アウトドアリビング」を楽しんだり、季節の移ろいを感じられるシンボルツリーを植えたりすることで、日々の暮らしはもっと豊かになります。
ぜひご家族の理想を詰め込んだ、素敵な外構プランを考えてみてください。

まとめ:外構工事は家づくりの総仕上げ。計画的に進めて理想の住まいを完成させよう

今回は、新築の家づくりにおける外構工事の基本について、網羅的に解説しました。

  • 外構工事は、防犯・プライバシー・美観の面で重要な役割を担う
  • 工事には様々な種類があり、デザインスタイルによって家の印象が変わる
  • 費用相場は住宅価格の5〜10%が目安だが、工夫次第でコスト調整は可能
  • 成功の鍵は、建物の設計と同時に計画し、信頼できる業者を選ぶこと

外構工事は、単なる追加工事ではありません。
それは、家族の暮らしを守り、彩り、そして住まい全体の価値を高めるための「総仕上げ」とも言える重要な工程です。
この記事で得た知識を元に、まずはご家族で「どんなお庭にしたいか」「どんな風に過ごしたいか」を話し合うことから始めてみてください。
計画的に、そして楽しみながら進めることで、きっと満足のいく理想の住まいが完成するはずです。

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