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コラム

後付け目隠しフェンスの高さ、もう迷わない!失敗しない最適な選び方を完全ガイド

お隣や道路からの視線が気になって、庭やリビングで心からくつろげない。
そんなお悩みを解決するために「後付けの目隠しフェンス」を検討している方は多いのではないでしょうか。
しかし、どのくらいの高さにすれば良いのか、安易に決めてしまうと「低すぎて全然目隠しにならない」「高すぎて圧迫感がひどく、お庭が暗くなった」といった後悔につながりかねません。

この記事では、そんなフェンスの高さ選びで失敗しないための全ての知識を、専門家の視点から分かりやすく解説します。
目的別の最適な高さの目安から、知らないと危険な法律の規制、ご近所トラブルを避けるためのポイントまで、この記事を読めば、あなたの家にぴったりのフェンスを選び、心からリラックスできる安心の毎日を手に入れることができるでしょう。

なぜ高さ選びは難しい?後悔しないための3つの鉄則

本格的な解説に入る前に、なぜ目隠しフェンスの高さ選びがこれほど重要で、そして難しいのかを知っておきましょう。
ただ高ければ良いという単純な話ではなく、後悔しないためには以下の3つの鉄則を総合的に考える必要があります。

この記事では、この3つの鉄則に沿って、あなたが最適な高さを導き出せるように、順を追って詳しく解説していきます。

鉄則1:何から隠したい?「目的」を明確にする

高さ選びの最初のステップは、あなた自身が「なぜ目隠しフェンスが必要なのか」という目的を具体的にすることです。
誰からの、どこからの視線を、どんな状況で遮りたいのかを明確にすることで、必要な高さもおのずと見えてきます。

まずは、以下のリストを参考に、ご自身の状況を整理してみてください。

  • 道路を歩く通行人からの視線
  • お隣の家の窓(1階、2階)からの視線
  • 庭やウッドデッキで座ってくつろいでいる時の目線
  • リビングやキッチンなど、室内で立っている時の目線
  • 防犯対策として、不審者の侵入を防ぎたい

これらの目的によって、選ぶべきフェンスの高さは大きく変わってきます。

鉄則2:知らないと危険!守るべき「法律・ルール」を理解する

目隠しフェンスは、自分の敷地内であっても、好きな高さで自由に設置できるわけではありません。
建物の安全性を確保するための「建築基準法」や、隣人との関係を定めた「民法」など、守るべき公的なルールが存在します。

さらに、これらの法律だけでなく、お隣さんとの日当たりや風通しに配慮するといった、良好なご近所関係を保つための私的なルールも非常に重要です。
これらのルールを知らずに設置してしまうと、思わぬトラブルの原因になりかねません。

鉄則3:見落としがち!「敷地・周辺環境」を正確に測る

カタログの数値やインターネットの情報だけで高さを決めてしまうのは、失敗の元です。
必ず現地の状況を確認することが、後悔しないための最大の秘訣と言えます。

特に重要なのが、ご自身の敷地と、視線が気になる道路や隣地との「高低差」です。
例えば、ご自宅の敷地が道路より30cm高ければ、150cmのフェンスでも実質180cmの壁として機能します。
メジャーなどを使って、実際の高さをシミュレーションしてみることが非常に重要です。

【目的・場所別】我が家に最適な目隠しフェンスの高さ目安

それでは、具体的にどのような目的の時に、どのくらいの高さが必要になるのかを見ていきましょう。
ここでは、一般的なシチュエーション別に、最適な高さの目安をまとめました。
ご自身の目的に最も近いものから参考にしてください。

目的・場所推奨される高さの目安主な理由とポイント
立った状態の視線(道路・隣地)180cm~200cm一般的な成人の目線(約160cm)を確実に遮るため。隣家の2階など、高い位置からの視線には200cm以上が必要な場合もある。
座った状態の視線(庭・ウッドデッキ)120cm~140cm座った時の目線を基準に、圧迫感を抑えつつプライバシーを確保できるバランスの取れた高さ。
防犯対策150cm~180cm侵入者に「乗り越えにくい」と感じさせる心理的・物理的な障壁となる高さ。高すぎると死角を生むため注意が必要。
ペットの脱走防止120cm~+α犬のジャンプ力を考慮した高さ。猫の場合は、上部に内向きの「忍び返し」のような形状の工夫が別途必要になる。
境界の明示100cm~120cm圧迫感なく、敷地の境界を明確にするための高さ。日当たりや風通しへの影響が少ない。

道路や隣からの視線(立った状態)を遮るなら【高さ180cm~200cm】

道路を歩く人や、お隣に立つ人からの視線を完全にシャットアウトしたい場合、高さ180cmがひとつの基準となります。
これは、一般的な成人の目線の高さが地面から約150cm~160cmであるため、それより高いフェンスを設置することで、敷地内を見通せなくするためです。

より完璧なプライバシーを求める場合や、お隣の家の2階の窓からの視線が気になる場合は、200cm程度の高さが必要になることもあります。
ただし、これ以上高くすると法律の規制対象になる可能性や、圧迫感が強くなるため慎重な検討が必要です。

庭やウッドデッキでくつろぐ視線(座った状態)を遮るなら【高さ120cm~140cm】

お庭やウッドデッキで、椅子に座ってリラックスする時間を大切にしたいという場合は、立った状態ほどの高さは必要ありません。
座った状態の目線の高さは、地面から約80cm~100cm程度です。

そのため、120cm~140cm程度の高さがあれば、座っているときのプライバシーは十分に確保できます。
この高さなら、立ったときには周囲の景色が見えるため、圧迫感を抑えつつ開放感も得られるというメリットがあります。

防犯効果も高めたいなら【高さ150cm~180cm】

フェンスに防犯効果を期待する場合、高さは非常に重要な要素です。
高さ150cm~180cmのフェンスは、不審者に対して「乗り越えるのが面倒だ」と感じさせる心理的な障壁となります。

しかし、ここで注意したいのが「防犯のジレンマ」です。
フェンスが高すぎると、一度敷地内に侵入されてしまった場合に、外からの視線が届かなくなり、かえって不審者の隠れ場所を提供してしまう危険性があります。
完全に視界を遮るのではなく、ある程度の見通しを確保することも防犯上は重要です。

ペットの脱走防止なら【高さ120cm~+αの工夫】

大切な家族であるペットが、敷地の外へ出てしまうのを防ぐ目的でフェンスを設置するケースも増えています。
犬の場合、小型犬でも意外なジャンプ力を持っているため、最低でも120cm以上の高さは確保したいところです。
中型犬~大型犬の場合は、150cm以上を目安にすると安心です。

特に注意が必要なのは猫です。
猫は驚異的な跳躍力と身軽さを持つため、200cmの高さでも乗り越えてしまう可能性があります。
そのため、フェンスの上部に内側へカーブした「忍び返し」のような構造を追加するなどの工夫が不可欠です。

【最重要】法律違反とご近所トラブルを避けるための法的知識

目隠しフェンスの設置で最も避けたいのが、法律違反による行政指導や、ご近所とのトラブルです。
ここでは、最低限知っておくべき法律の知識と、円満な関係を築くためのポイントを解説します。
ここを理解しておけば、安心して計画を進めることができます。

項目規制内容の要約関連法規主な目的
ブロック塀の上への設置ブロック塀とフェンスの合計の高さを2.2m以下にする必要がある。建築基準法地震や強風による倒壊を防ぎ、安全性を確保するため。
建築確認申請高さ2mを超えるフェンス(工作物)を設置する場合、原則として必要になる。建築基準法構造上の安全性を、行政が事前にチェックするため。
境界線上への設置隣人の合意がない場合、高さ2mを超えるフェンスは設置できない。民法隣人の日照や通風などを保護し、良好な関係を維持するため。
境界線からの距離建物を建てる際は、境界線から50cm以上の距離を保つ必要がある。民法トラブルを未然に防ぎ、互いの土地の利用を尊重するため。

高さ2.2mの壁?建築基準法が定める高さ制限

後付けフェンスで特に多いのが、既存のブロック塀の上に設置するケースです。
この場合、「建築基準法」という法律で、ブロック塀とフェンスを合わせた全体の高さを2.2m以下にしなければならないと定められています。

これは、地震や大型の台風が来た際に、フェンスが倒壊して人や物に被害を与えないようにするための、非常に重要な安全規定です。
また、ブロック塀自体が古く、強度が不足している場合は、そもそもフェンスを設置できないこともあります。
安全に関わることなので、必ず専門の業者に診断してもらいましょう。

境界線上は2mまで?民法が示す隣人への配慮

自分の敷地内であっても、隣地との境界線付近にフェンスを設置する場合は、「民法」で定められたルールへの配慮が必要です。
もし、お隣さんとの合意がないまま境界線上にフェンスを設置する場合、その高さは2m以内にしなければならないとされています。

これは、高すぎるフェンスによってお隣の日当たりや風通しが悪くなることを防ぎ、お互いが快適に暮らすためのルールです。
もちろん、お隣さんと話し合い、合意が得られれば2mを超えるフェンスを設置することも可能です。
法律の前に、まずはコミュニケーションが大切だということを覚えておきましょう。

「うちの地域は特別?」設置前に必ず自治体の条例を確認

建築基準法や民法の他にも、各市区町村が独自に定めている「条例」にも注意が必要です。
例えば、景観を保護するためにフェンスの色やデザイン、高さに制限を設けている「景観条例」などが存在します。

これらのルールは地域によって大きく異なるため、「隣町ではOKだったのに…」ということが起こり得ます。
フェンスの計画を立てる際には、必ずお住まいの市区町村の役所(建築指導課や都市計画課など)に問い合わせて、地域のルールを確認するようにしましょう。

高さだけじゃない!圧迫感・日当たりで後悔しないためのポイント

最適な高さが決まっても、まだ安心はできません。
視線を遮るという目的を達成しつつ、「圧迫感がないか」「日当たりや風通しは悪くならないか」といった、住まいの快適性を損なわないための工夫も非常に重要です。
ここでは、高さ以外の要素で後悔しないためのポイントを解説します。

「庭が暗い…」日当たり・風通しを確保するフェンスのデザイン

プライバシーを重視するあまり、隙間のない高いフェンスで家を囲ってしまうと、庭や室内への日当たりや風通しが著しく悪化してしまうことがあります。
これでは、せっかくの快適な住まいが台無しです。

この問題を解決するのが、デザインの工夫です。

  • ルーバータイプ: 羽板の角度によって、視線を遮りながら光や風を採り入れることができる人気のデザインです。
  • 縦格子・横格子タイプ: 格子のすき間から光と風が抜けるため、圧迫感が少なく開放的な印象になります。
  • 採光パネル付き: フェンスの一部に半透明のパネル(ポリカーボネート製など)を組み合わせることで、明るさを確保できます。

これらのデザインをうまく活用すれば、プライバシーと快適性を両立させることが可能です。

「まるで壁…」圧迫感を軽減する色・素材選びと設置の工夫

高いフェンスは、どうしても心理的な圧迫感を与えがちです。
この圧迫感を和らげるためには、色や素材選び、そして設置方法に工夫を凝らすことが効果的です。

工夫のポイント具体的な方法期待できる効果
色の選択白、アイボリー、明るいグレーなどの膨張色や明度の高い色を選ぶ。空間を広く、軽やかに見せる効果がある。
素材の選択木目調の樹脂フェンスや、本物の木材(メンテナンスは必要)を選ぶ。無機質な印象を和らげ、温かみのあるナチュラルな雰囲気を演出する。
設置の工夫フェンスの前に植栽スペースを設け、樹木や草花を植える。フェンスの無機質さが和らぎ、視線が緑に向かうことで圧迫感が軽減される。
デザインの組み合わせ必要な部分だけを完全に目隠しし、他の部分は格子タイプにするなど、複数のデザインを組み合わせる。全てを同じデザインにするよりも、視覚的な変化が生まれ、単調さがなくなる。

これらの工夫を組み合わせることで、フェンスがもたらす圧迫感を大きく軽減し、家の外観とも調和させることができます。

【実例】後付け目隠しフェンスのよくある失敗とプロの回避策

最後に、後付け目隠しフェンスで実際に起こりがちな失敗例と、そうならないためのプロの回避策をご紹介します。
他の方の失敗から学ぶことで、あなたのフェンス選びがより確実なものになります。

失敗例原因プロの回避策
高すぎて圧迫感が…プライバシーを意識しすぎるあまり、必要以上に高いフェンスで全体を囲んでしまった。・必要な場所だけを高くし、他は低くするなどメリハリをつける。
・ルーバーや格子など「抜け感」のあるデザインを選ぶ。
・設置前に現地で棒などを立て、実際の圧迫感を確認する。
低すぎて意味がない…費用を抑えることを優先し、高低差を考慮せずに低いフェンスを選んでしまった。・必ず敷地と道路/隣地の高低差をメジャーで実測する。
・立った時と座った時の両方の目線で、現地シミュレーションを行う。
・初期費用だけでなく、後から追加工事する手間とコストも考慮する。
隣人から苦情が…事前の相談なしに、隣家の日当たりを遮るような高いフェンスを設置してしまった。・計画段階で必ず隣人に設計図などを見せて説明し、合意を得る。
・日当たりや風通しへの影響が少ないデザインを検討・提案する。
・工事中の騒音や車両の駐車についても事前に断りを入れる。

失敗例①:高すぎて圧迫感が…日当たりも悪化し庭が暗い印象に

「とにかく外から見られたくない」という一心で、敷地全体を2mのフェンスで囲ってしまったケースです。
プライバシーは完璧に守られましたが、庭は常に日陰でジメジメし、リビングから見える景色はまるで壁のよう。
結果的に、庭に出るのが億劫になってしまいました。

【回避策】
まず、本当に2mの高さが全周にわたって必要なのかを再検討することが重要です。
視線が気になるお隣の窓の前だけを高くし、道路側は少し低くするなど、高さにメリハリをつけるだけで圧迫感は大きく変わります。
また、光を通す採光パネルや、風が抜けるルーバーデザインを選ぶことも有効な解決策です。

失敗例②:低すぎて意味がない…通行人と目が合って落ち着かない

初期費用を抑えるために、見た目がおしゃれな高さ120cmのフェンスを選んだケースです。
しかし、実際に住んでみると、自宅の敷地が道路より少し高かったため、歩いている人と頻繁に目が合ってしまいます。
これでは目隠しの意味がなく、結局あとからラティスなどを追加で設置することになり、余計な出費がかかってしまいました。

【回避策】
この失敗は、事前の現地確認を怠ったことが最大の原因です。
必ずメジャーを用意し、道路に立った人の目線の高さ(約150cm)を想定して、自宅の敷地からどのくらい見えるのかをシミュレーションしましょう。
この一手間が「安物買いの銭失い」を防ぎます。

失敗例③:隣人から苦情が…日照権トラブルに発展

お隣との境界に、特に相談もなく180cmの目隠しフェンスを設置したケースです。
冬になり、太陽の位置が低くなると、フェンスの影がお隣の庭やリビングに長時間かかるようになり、「日当たりが悪くなった」と苦情が入りました。
関係が悪化し、せっかくの新生活が気まずいものになってしまいました。

【回避策】
計画段階で、どのようなフェンスを、どのくらいの高さで設置する予定なのかを、お隣さんへ丁寧に説明することが何よりも重要です。
「ご迷惑にならないように、日当たりにも配慮したデザインを考えています」と一言伝えるだけで、相手の心証は全く違います。
良好なご近所関係は、どんなに高いフェンスよりも、あなたの暮らしを守る「最高の防壁」になります。

まとめ:最適な高さのフェンスで、視線を気にしない心安らぐ毎日を

後付け目隠しフェンスの高さ選びは、単なる寸法決めではありません。
あなたのプライバシーを守り、快適な暮らしを実現するための非常に重要な計画です。

後悔しないフェンス選びの鍵は、以下の4つのポイントに集約されます。

  • 目的の明確化: なぜフェンスが必要なのかを具体的にする。
  • 法律・ルールの遵守: 建築基準法や民法、地域の条例を必ず確認する。
  • 周辺環境の確認: 現地での高低差の測定とシミュレーションを徹底する。
  • 隣人への配慮: 計画段階での相談とコミュニケーションを大切にする。

この記事でご紹介した知識を参考に、まずはご自身の敷地でシミュレーションをしてみてください。
そして、少しでも不安な点や専門的な判断が必要な場合は、経験豊富な外構専門業者に相談することをおすすめします。
正しい知識を持って計画を進めれば、必ずあなたの理想に合ったフェンスが見つかるはずです。
視線を気にすることのない、心からリラックスできる毎日を手に入れましょう。

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